表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最強一家の末娘~鬱フラグブレイカーの救済録~  作者: 結城コウ
第10章 とある少女
411/1085

必要な「さようなら」

…………


旅立ちは大抵朝だった。



「そうか、もう行くのかい」


「ええ、お世話になりました」


「いや、こちらこそだね。色々と迷惑をかけた」


「それはいいっこなしです」


出発前、リタ船長達に最後の挨拶をしにいった。


お互い、それなりに危険なことをしている同士だ。


これが今生の別れになるかも知れないことは察していた。


それでなくても、またこの海を渡る時がこなければ、もう会うことはない。


アル兄さんの捜索で、あちらこちらに行くことを考えると、ありえないことではなかった。


長い航海で、船員のみんなとも仲間意識が芽生えなかった訳ではない。


それでも、これが”必要な”別れである以上、口にすることはしなかった。


「それじゃあ、()()()()()


「ああ、元気で、()()()()()さね」


別れの言葉で、自然とでた、”また”。


それが建前なのか、本音なのか、自分でもわからなかった。


挨拶が終わり、馬車に乗り込むと、同じくらいのタイミングでちーちゃんとシンシアさんも戻ってきた。


セレナ蝶は、流石に挨拶まわりという訳にはいかなかったが、

あとの二人もどことなくしんみりしていた。


その空気を振り切るように、私は元気よく言うことにした。


「さ、行きましょう!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ