幕間・ある少女の物語 7
「か……は……っ」
首を絞めつけられ、息が出来ない。
そのまま男が立ち上がると、あたしは吊り上げられる形になった。
無我夢中で足をばたばたして、抵抗するが男には届かない。
「大人をコケにして、ただですむと思うなよ!」
指が首すじに食い込む、その力であたしの頭はのけぞった。
「あ?」
帽子が落ちて、中の結んだ髪がばさっと落ちた。
「お前、もしかして、女か?」
男はにやりと笑うと手を離した。
あたしは床に倒れると、その上から男は足で踏みつけた。
「あぐっ……!!」
「おっと、力加減に気をつけないとな」
「……?」
「男のガキより、女のガキのほうが高く売れる……
お前は借金のカタに、どこぞに売り飛ばしてやる……!」
「!!!?!!」
あたしは必死に抵抗しようとした。
ナイフはいつの間にか手から離れ、どこかにいっていた。
だけど、男は更に強く踏みつけた。
「うぐぅっ!!」
「おいおい……こっちも売り物に余計な傷をつけたくないんだ。
せめて、これ以上痛い目はみたくないだろ?」
元々、力ではかなうはずがない。
あたしは抵抗も出来ずうずくまった。
そして、思わず呟いていた。
「誰か……助けてっ……」




