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最強一家の末娘~鬱フラグブレイカーの救済録~  作者: 結城コウ
第10章 とある少女
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幕間・ある少女の物語 5

借金取りが来たのはそれから、数日後の仕事終わりだった。


見たところ一人。


そして、この数日の間に準備は終わっていたから、絶好の機会だと言えた。


「金は用意出来たか?」


”出来るはずがない”、借金取りの男はそんな気持ちを隠そうともせず、口の端はいびつに歪んでいた。


「どうぞ」


あたしは家の中へ誘導すると、男は疑う事なく従った。


「茶の一杯じゃ、ごまかされてやらんぞ」


「そうですか?」


その瞬間、あたしは床の板を踏み抜いた。


そして、それに作用し、壁に仕掛けたナイフがゴムの力で男にめがけて射出された。


「うおっ!」


しかし、ナイフはわずかにそれ、男の頬を掠めるだけに留まった。


自分の頬を撫でる男。


あたしはそのまま、家の奥へ駆けた。


男は指に血がついていることに気付くと激昂した。


「ガキの浅知恵がッ!」


逃げるあたしに向けて、突進する借金取り。


あたしはそれを見て、床に置いてあったナイフで、壁沿いに天井にまで伸びたロープが十数本。


そのロープを全て切ると、男の頭上に釣り上げていた家中の椅子やテーブルといった家具が降り注いだ。

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