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幕間・ある少女の物語 4
あたしのような子供にそんな大金を一度に生み出す方法なんてない。
いや、仮にあったとしても知らないし、知る術がない。
例え、悪いことをしたとしても、そんな大金は手に入らない。
盗みを働いたとしても、300万ルドーに届くとは思えない。
なりふり構わなくなったとしても、どうすることも――
「――」
いや、一つある。
本当に悪いこと――それこそ、殺人でもする覚悟があるのなら――
「そうか。もうそれしか方法は……」
要は借金取りさえどうにかしてしまえば、お金の問題なんて関係ない。
もう、どうすることも出来ないのだから、やるだけやってみるのも悪くないだろう。
「そうだ、あとは方法だけだ」
別に直接力に訴えかける必要はない。
むしろ、非力な子供のあたしにはそんな方法は取れない。
例えば、重いものを頭に落とすとかそういうやり方で――
死体の処理は、リアカーでも手に入れれば、
夜の間に街の外か海に捨てることが出来れば、そう簡単にはわからない。
あとは、それこそ借金取りがこなくなるまで、何度でも殺せば……殺し続ければいいだけだ。
「はは……あはは……ははははははははっ!」




