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最強一家の末娘~鬱フラグブレイカーの救済録~  作者: 結城コウ
第10章 とある少女
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幕間・ある少女の物語 1



――ある少女の物語



陽も暮れ、あたしは家に戻ると、今日の売上を計算していた。


すると、硬貨の一つの模様が違うことに気付いた。


「あれ、これルドーじゃない!?」


色合いは50ルドー硬貨に近いが、よく見ると大きさも少し違う。


硬貨には100ウェンと書かれていた。


「まいったな。どこかで間違えたのかな?」


単価の安いものを売り歩いている以上、こういうミスは致命的になる。


だから、いつも細心の注意を払っていたのに……!


焦りながら、帳簿と照らし合わせてみる――すると、ズレはなかった。


厳密には、この100ウェン硬貨だけ、余分にあることになる。


「どういうこと?」


と、首をひねったところで思い出した。


今日は売上とは別にお小遣いを貰った。


逆にその分の過分がなく、売上にズレがないということは、その時のお小遣いがこれということになる。


「なんだ、そういうことか」


安心した反面、落胆も覚えた。


100ウェンというのがどれほどの価値なのかはわからないけど、この国――はどうかわからないけど、少なくとも、この街では使えない。


正直、そんなものを貰ってもどうしようもないのだ。

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