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自由時間に向かうは
「それじゃあ、これからどうするの?どこかで手合わせでもする?」
ちーちゃんの提案も悪くないと思った。
でも、私は気がかりなことがあった。
「広場の方に行ってみようと思います」
「そうなんだ。じゃあ、ワタシもついていくよ」
そんな訳で、二人で広場に向かうことになった。
ちなみにセレナは馬車で積み荷と一緒になっている以上、
蝶共々シンシアさんと一緒に行くしかない。
これに関しては選択の余地はなかった。
宿においてけぼりにされるよりはマシだと、蝶は語っていた。
……
「で、広場に来たのは、昨日のレイって子が目的?」
「ええ、明日街を離れるなら、挨拶でもと思って」
「ふぅん…………本当にそれだけ?」
ちーちゃんは真っ直ぐに私を見つめてきた。
「……………………それだけ、ですよ」
「ま、そうだよね、普通は。
ワタシはもしかして、旅の仲間にでも誘うんじゃないかと思ったけど」
「まさか……そんなことをして何になるって言うんですか」
「でも、気になるから、来たんでしょ?」




