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理想の生命体?
「自分のことは気にせんでええらしいで」
「そういう訳にはいかないよ!」
身動きも取れない状態で何を言うのか。
「知っての通り、飯なくても空気を吸えるだけで生きていける……
寝てるだけで済むから、かえって都合はええんらしいで」
「え、ええ……?」
「なんだか、それだけ聞くと駄目人間みたいだね……」
「ニートの理想形ですわね」
「いや、まぁ、セレーナはんもこのままでええとは思ってへんけど、そこまで不便な訳やないから、
このまま連れてってくれるだけで充分なんやって」
「元々、現状はそうするしかないんだけどね」
「プラスに考えようや。こうやって意思の疎通は出来るようになったんやし」
「それは、そうだね」
「確かに、セレナの意見を聞けるのは大きな進歩とも言える……のかな?」
「そう考えましょう」
「じゃあ、せっかくだし、改めて今後のこと話し合わない?
セレナちゃんの意見も聞けるようになったんだし」
「そうですね。積み荷の売り先がどうなったかも聞きたいし」
「それでしたら、めどはつきましたわ。えっと――」




