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グループ:セレーナ
「……ちょ、蝶に名前なんてあるかいな」
蝶はかろうじて、絞り出すように言った。
「すぐにそう言えたなら、まだ説得力はあるけどね」
「どういうことなんですか?この子がセレーナさんって、なんですか!?」
「ねぇ、ちゃんと説明して、貴女はセレナのなんなの?」
「…………厳密にはセレーナはんではないで」
「まぁ、それはそうだよね。セレナちゃんの身体はちゃんと結晶の中にあるんだから」
「それで?厳密には、ってことはそうじゃないとも言いきれないことがあるんでしょ?」
「はぁ、しゃーない。セレーナはん勘弁や」
蝶はそう言うと目を閉じた。
「……え?」
「説明はどうしたの?」
「ちょい待ち、今話し合ってるから」
「話し合ってる?」
しかし、蝶の口は閉じたまま、目を瞑っている。
「もしかして……思考が繋がってる?」
「ああ、まぁ、せやな。結果的にバレてもうたし、もうええやろ、セレーナはん」
「じゃあ、やっぱり……!」
「せや、わたしとセレーナはんは思考を共有しているんや。
だから、頭の中はセレーナはんと同じやと言える」




