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最強一家の末娘~鬱フラグブレイカーの救済録~  作者: 結城コウ
第4章 断罪される少女
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『剣聖』の実力

「それで、ラン兄さん、アル兄さんの行方は……」


「うむ……おれもこの道場を構える身。直接は探しにいくことは叶わぬが、方々(ほうぼう)に使者をつかわし、探してはいるが……」


「……結果は芳しくない、と」


「うむ」


「私の旅の目的はアル兄さんを探すことなのです」


「そうか。なれば、道中、困難に当たることもあるだろう……ならば、クリスよ」


「はい」


「久々に稽古をつけよう」




……






私達は互いに竹刀を持ち、向かい合っていた。



「魔法だろうと武術だろうと形は問わぬ、来るがいい」


「は、はい」


私は全神経を集中し、構えを取った。


「ほう……悪くない構えだ。流石に腕を上げたか」


「あ、ありがとうございます」


そうは言うものの、私は打ちこめずにいた。


ラン兄さんの構えはゆったりとしてるというのに、隙という隙が一切ない。


魔法でもなんでも仕掛けた瞬間に、返しに致命的な一撃を喰らう予感があった。


「どうした?こちらからは仕掛けぬぞ?」


「……」


だと、しても――


先手は譲られても、高速のカウンターを防ぐビジョンが全く見えなかった。


私は間合いさえ見切ることも叶わず、額から汗がだくだくと、つたい落ちていった。


「……ふむ、いいだろう。こちらは一切反撃はしない。存分に仕掛けてくるがいい」


「!」


それは屈辱の提案だった。


だけど、それを屈辱と思うことすら恥ずかしい程に、ラン兄さんと私の実力はかけ離れていた。

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