悪ノリが長くなって、雰囲気が悪くなるやつ
「そうですね、道中の水場があれば、そこで」
「……残念なお知らせなんですけど」
「なんです?」
「この辺りの地図を確認したところ、それらしい水場はなさそうです」
「……がびょーん!」
「!?」
「え……クリスちゃん?」
「それなら仕方ないですね。でも、水魔法を使えば、いいだけですし」
「い、いや、スルーしないでよ。今のなに?」
「なにがですか?」
「古臭い擬音、口にしてたじゃん!」
なんだか、辛辣なことを言われてる気がする。
「……?」
「いや、すっとぼけられても」
「私、言ってませんよ?」
「いや、だって……」
その時、シンシアさんはゆっくりとした動作でちーちゃんの肩にポンと手を置いた。
「触れないでいましょう」
「し、シンシアちゃん……」
「いや、本当に私言ってませんよ?」
「っ!」
「……でしたら、他にどなたがおっしゃったのですか?」
あれ?なぜか、二人とも怒っているようだった。
「待って、本当に言ってないんです。冗談とかじゃなくて」
「え?」
「どういうこと?」
「私は言ってないし、反応を見る限り、シンシアさんでもちーちゃんでもない。
だとしたら――」
残された可能性は一つだ。




