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ランパード邸の朝
「はい……でも……」
「シアさん?」
「ごめんなさい。気分が……」
「無理もないですね。今日はこれくらいにして、ゆっくり休みましょう」
「はい……」
…………
翌朝、いの一番に私は目を覚ました。
他の三人はまだ眠りの中だ。
二度寝をする気分でもなく、手持ち無沙汰になった為、身支度をして部屋を出ることにした。
ラン兄さんに会いに行こう、と思った。
昨日は昨日できょうだいの話は出来なかった。
アル兄さんのことも含めて、ラン兄さんとは改めて話しておきたいと思った。
近くに居たメイドさんに居場所を聞くと、この時間は道場だという。
私は礼を言い、道場に向かった。
……
「ラン兄さん、おはようございます」
ラン兄さんは昨日と同じように道場の中心で正座し、目を閉じ、精神統一しているようだった。
「おはよう、クリス。よく眠れたか?」
「はい、おかげさまで」
私はラン兄さんの前に向かい合って正座した。




