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最強一家の末娘~鬱フラグブレイカーの救済録~  作者: 結城コウ
第10章 とある少女
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丁寧さの中の失礼

「投げなくてもいいじゃないか」


男は恨めしそうに舌打ちをすると、そそくさと逃げるように去っていった。


「ありがとよ、お姉さん」


売り子は帽子を脱ごうとしたが、寸前で何かに気付いたように思い留まり、帽子をかぶり直した。


帽子の隙間からぽろりと髪の毛の束が見えた。


恐らくは、長い髪を見られたくなかったのだろう。


「いや、おかしいことをおかしいと言っただけだよ」


「そうかい?はは……あはははっ!」


ははっと売り子は愛想笑いをしたかと思ったが、その流れのまま笑い出してしまった。


「ど、どうしたの?」


「いや、お姉さん、そんな風に喋るのに、さっきの野郎にはあんな態度なのに、かしこまった喋りかただったじゃないか。それが、おかしくて、あははは!」


「うっ……」


思えば、礼儀正しくしようとしている面もあったけど、

他のきょうだい達へのコンプレックスから、親兄弟にも敬語で話すようになり、

目上……というか年上ならば、全員敬語で喋るようになった。


それ自体はそこまでおかしいことではないのだが、その反動なのか、ついつい年下(だと思ったら)、

馴れ馴れしくなってしまう。


それ自体もそんなに変なことではないが、この子とは初対面だ。


それはそれで失礼なことじゃないかと、急に恥ずかしくなった。

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