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最強一家の末娘~鬱フラグブレイカーの救済録~  作者: 結城コウ
第9章 海を渡る少女
362/1085

side:B 終末への道

――――side of ”before”



大きく地響きがなったか、と思うとマストが傾きだした。


「っ!」


恐れていたことが起こった。


マストの耐久性に限界が来てしまった。


みしみしと(きし)む音を立てて、木の柱は倒れていく――


「――」


眼下には黒い海のような終末の獣達。


その大群にこの身は放り出されようとしていた。


そして、私はこの時、この場を切り抜ける方法がなに一つ思い浮かばなかった。


高威力の魔法で薙ぎ払おうとしても、既に足場らしい足場は存在せず、

世界を押しつぶさんと膨れ上がった終末の獣の中、今となっては踊る剣技の速度では対応しきれない。


そんな私の雰囲気を察したのか、シンシアさんは呟いた。


「私を、見捨てて下さい」


「――」


思わず、シンシアさんを見た。


確かにシンシアさんを守る必要がなければ、まだ戦うことが出来る。


だけど、それは――


「元から先のない運命だったのです。これまで幸せでした」


その瞬間、シンシアさんは全てを諦観した笑みを見せた。


それまでで、一番無邪気な顔に見えた。


そして、シンシアさんの足はマストから離れた。

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