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鬱フラグブレイカー
「だと、しても……クリスさんなら、そんな運命だって覆せるんじゃないですか?」
「セレナ?」
「だって、そうじゃないですか。仮にそんな運命に負けてしまうなら、シンシアさんは処刑されてしまってるはずでしょう?
それにわたしの時だって、普通の人には出来ないような方法で助けてくれたじゃないですか!」
「……そう、だね。私が――助けてみせる。それしかないんだから」
「クリ、シュナ、さん……」
「よし、じゃあ、もうちょっと考えてみましょう。シアさん」
「は、はい!」
「シアさんは”別の末路”を知ってるんですよね。それを踏まえた上で、何か気付いたことはありませんか?」
「そうですね……うーん」
シアさんは思考を巡らすように頭を振った。
「……考えてみれば、当たり前の話なのかも知れないんですが」
「なんですか?」
「アルベルト王子が……一切、庇ってくれなかったんです」
「庇ってくれなかった?まぁ、真犯人なんだからそうだとは思いますが……」
「いえ、”別の末路”の時もなんです」
「どういうことです?」
「王子……アルベルトは、私の婚約者だったんです」




