348/1085
side:B ノンストップ
私達を取り囲み、押し潰そうとする獣達。
「踊ること……リズムに集中して下さい、誘導は私が!」
「ええ!」
戦い慣れしてないシンシアさんは、終末の獣に意識を向けないほうがいい。
『グガアアァァアァァァ――――』
「ひっ……!」
「シンシアさん、ステップを!」
恐怖に飲み込まれたら、シンシアさんはきっと萎縮して動けない。
「っ……行きます!」
踏み出そうとしたシンシアさんの足は震えていた。
それをシンシアさんは自ら叩いて、ステップを踏み出した。
練習の時のステップ……それをテンポを早くしていた。
「~♪」
シンシアさんはメロディーを口ずさみながら、ダンスに没頭しようとしていた。
それでいい、既に終末の獣は飛び込むように突っ込んで来ていた。
「っは……!」
なるべく、シンシアさんの注意を割かないように剣を振るい両断する。
終末の獣は半端に欠損しても、そのまま襲いかかってくる。
一刀で機能停止に追い込むように両断する。
そして、そのままリズムに乗って、踊り始める。
それが、止まることが出来ないダンスの始まりだった。




