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side:A 答えにたどり着いたもの
ちーちゃんはまるで、首が折れたようにがくんと額を床に叩きつけた。
「チヒロ!!」
”シア”さん駆け寄って、起き上がらせようとするのをちーちゃんは手で制した。
「……そうか、巻き戻りって、アレのことだったんだ」
ぐっと上体を起き上がらせたちーちゃんは頬についた血をぬぐった。
「だ、大丈夫なの!?」
「ワタシのことより、クリスちゃんのことだよ。一刻を争う事態になってるかも」
「え……なにが、わかったの!?」
「あとでまとめて話す。今は、リタのところに行かないと」
「船長のところ!?じゃあ、やっぱり、リタ船長が鍵を握ってたのね!」
「…………あながち、間違ってはないけど」
「……けど?」
「まずは船の進路を変えないと」
「どうして?」
リタ船長の第一声はそれだった。
素人に航路に口出しされていることに対する不快感さえ、あらわにしていた。
「……わからないの?」
しかし、それ以上の威圧感を込め、ちーちゃんは言い放った。
「な、なにがよ?」
「この航路がクリスちゃんが消えた原因になってるんだよ」
「…………え?」




