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side:A 完全解明
――――side of ”after”
「……だけど、時間に囚われたって、どういうことなの?」
「仮にだけど――」
”シア”さんは畳まれていた布を一度広げた。
「――この矢印が時間の進行を示しているのなら、過去の時間ってことにならないかしら?
上の部分が今で下が過去って」
「過去の時間、か……ん?ちょっと、元に戻して見せて」
”シア”さんは言われた通り、元の形に戻して見せた。
「だとすると、この形……時間が巻き戻ってるって、ことにならない?」
「確かに……それに、この粉……防虫剤ね」
「それがどうしたの?」
「効果が切れてるみたい。航海日数を考えれば、ありえないわ」
「そうか、これが、”巻き戻り”の裏付けなんだ」
メッセージはこれで解明された。
そして、そのことにも気付いたちーちゃんだったが、同時に一筋の汗がつたい落ちた。
「……っ」
「どうしたの?」
「……だとしたら、どうやって」
かすれた小さな声だった。
「え?」
すると、ちーちゃんはぶんぶんと頭を振った。
「どうにか、”前回”へ繋がる道をさがさないと!」




