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side:B 耐久戦
際限なく出てくる獣達。
獣達は世界を喰い散らかしていくだけに飽き足らず、私達にも狙いを付けていた。
状況は最悪だが、どちらにしろ、世界を喰う終末の獣だと言うのなら、戦うほかない。
世界が消えた状態で私達が存在出来るとは考えられない。
そして、事態がここまで至ってしまっていた以上、最早シンシアさんと離れる訳にはいかない。
メッセージは不十分だが、後はちーちゃん達を信じて、一秒でも長く持ちこたえる。
――そう、持ちこたえる。
終末の獣ならば、いくら倒してもキリがない。
それでも、私達に残された方法はその物量に押し潰されないよう、耐え続けることだけだった。
「『ジャイロ・エアスピット』!」
かまいたちの如き旋風が獣達を薙ぎ払った。
最早、船の心配をしている余裕はない。
『――ウォォオオンッ!!』
「っ!」
際限ない終末の獣は背後からも迫っていた。
私は剣を逆手に持ち替え、振り向きざまにその牙を刃で受け止めた。
目の前に迫った獣は自らの口が裂けていくのも構わず此方に迫ってきていた。




