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非接触
「……仮にその確信が正しかったとすれば、私から離れない限りは”消える”心配はないです」
「ええ、そうなりますわ」
「でも、逆に言えば原因に接触出来ない……少なくとも、待っていては」
「ということは、こちらから打って出るのですね?」
「ええ……そうしなければ、どうしようもないですね」
「それに自体には賛成ですが、どうやってですか?」
「それに関してはしらみつぶしに船内を捜索するくらいしか、思いつかないんですが……
シンシアさんは何か考えがありますか?」
「そうですね……」
考える素振りを見せた、彼女はどこからか、薄荷を取り出し、口に含むとハッとして私にも差し出した。
「どうも」
私が受け取るのを見て、シンシアさんは口を開いた。
「今思えば、何か知っていたんじゃないかと思うのです」
「え、誰がですか?」
「リタ船長です」
「リタさん……」
確かに、そういうフィルターを通して見れば、そういう態度だったとも取れなくもない。
しかし――
「それなら、この状況はなんなんですか?」




