認識の相違
「ですが、このままでいいという訳にもいきません」
また、同じように”巻き戻し”が起らない保証はない。
そうなると、私達は延々と同じ時を繰り返すことになる。
「そりゃあ、そうさね」
そのこと自体はリタ船長は理解しているはずだ。
しかし、余り危機感を持っていないように見える。
「そんなに悠長に構えられる問題ではないと思いますけど……」
「それはそうかも知れないけど、アンタらが解決に動いてくれるなら、何とかなるだろう」
信頼……というには、随分と投げやりに思えた。
「ああ、いや……もちろん、協力はするさね。しかし、アタシも他の船員達も船の仕事がある」
「調査は私達だけで行え、と?」
「悪いけど、基本的にはそうしてほしい」
手が空いてる人間ということを考えれば、わからない話ではない。
それでも、積極的に動こうという意思が感じられないことに疑問符がついた。
「私は船長の仕事というのはわかりません。
ただ、船の責任者としては船で起こった問題には解決に乗り出すべきなのでは?
それが無理でも、せめて代理人を立てるなり……」
「必ず解決すべき問題だというのはわかってる。
でも、早急に、という訳でもないんじゃないかい?」
「!?」




