補足説明
「ねぇ、それってどういうこと?」
ちーちゃんが疑問をぶつけてきた。
「どういう、と言うと?」
「そのままだよ。
魔法は専門外だし、よくわからないんだけど、その魔法燃料っていうのはどうして、
時間が巻き戻るとズレが生じるの?時間の経過で回復したりもするじゃない」
「それは行使された魔法と身体に蓄積する魔法燃料の違いですね」
ちーちゃんはピンと来ていないらしく、首をかしげた。
「そうですね。仮にですけど、
今回のような時間を巻き戻す魔法をつかった際に、術者の魔法燃料はどうなると思いますか?」
「え?魔法を使ったんだから、消費され――――!?」
「ええ、そうなんです。
仮に魔法を使った前に戻るなら、魔法を行使したのに、消費、消耗しないことになる。
これってとっても不自然なんですよ」
「なにこれ、SFのタイムパラドックスみたい……」
「え?」
「あ、ごめん。気にしないで」
「まぁ、この辺りは魔法学者の間で、詳しいことは未だ結論は出てなかったりするんですが、
実際どうかというと、術者の魔法燃料は消費された状態で時間が巻き戻ることになってます。
なので、仮説として、魔法燃料は時間とは別の枠組みにある、とされてます」
「じゃあ、今回の防虫剤は?」
「言うならば、既に発動した魔法と同じということです。
時間の巻き戻りに直接関与はないとは言え、時間が巻き戻ったことによる消費がなかった事にならなかったので、そのまま消費された状態で時間が巻き戻ったんです」




