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最強一家の末娘~鬱フラグブレイカーの救済録~  作者: 結城コウ
第9章 海を渡る少女
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ロールバック

「時間が巻き戻った……?」


一見、これも突拍子もないように思えるが、辻褄は合う。


”オモック”がない理由もそうだし、

時空間魔法ならば、私の魔法耐性が作用して、”前回”の記憶があってもおかしくない。


そして、時空間魔法……私の長姉が使える以上、存在する。


故に扱える者や何らかの自然現象により、偶発的に起きる可能性がある。


問題は、それを証明する手立てがないということ。


厳密に言えば、私の記憶以外に、だけど――


「……いや、時空間魔法やそれに準ずる現象だとしたら、

魔法耐性によって影響の度合いが変わるんじゃあ?」


”一週間前”の記憶を持っていたのは船内の中で私だけだった、


だけど、それ以降の記憶にズレがないとは限らない。


或いは物質……魔法耐性の性質を持つ物質が船内にあれば、何らかの影響を受けているかも知れない。


だとしたら――


「一度、馬車に戻る必要がありそうですね」


勇者であるちーちゃんや貿易用に色んな品物を管理しているシンシアさん。


……それに結晶に覆われているセレナの影響も気になった。

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