ワンフォアオールの精神的な
3時間後……
「!!」
シンシアさんの竿がしなった。
「キタキタキタキタ!キマシタワーーーーっ!」
それはなにか違うような気はするが、シンシアさんが大はしゃぎで竿引っ張り、糸を巻き取るのを見て、
私はタモを取った。
「おおおおっ!フィーーーッッッッシュゥゥゥゥウウウッッッ!!」
シンシアさんのキャラ崩壊は置いておいて、私は素早く、引き上がった魚をタモで受け止めた。
「あははっ!グンッときて、ビュン!って!グンッときて、ビュン!って!」
それもなにか違うとは思うが、これでノルマは達成した。
「おお、釣れたんんだ!」
少し離れたところにいたちーちゃんも釣りざおを持って寄って来た。
彼女も撤収する気マンマンだった。
「うふふ、これで久々にビスケット以外のものを食べられますわ!」
やはり、シンシアさんはよっぽど、ビスケットが嫌だったのだろう。
「じゃあ、早速捌かない?新鮮なうちにさ!」
「そうですわ!お刺身にして、すぐに食べましょう」
「……だったら、シンシアさん、どうぞ」
私はタモをシンシアさんに差し出した。
「いえいえ、せっかくですから、三人でいただきましょう!私達の釣果ですわ!」
「は、はぁ……」
しかし、タモの中の魚は10センチ程の長細い種類……分け合う程の刺身になるだろうか……




