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暗中での模索
「……ところで、さ。クリスちゃん」
「はい?」
「深くは突っ込んでいなかったけど、セレナちゃんのことはどう考えてるの?」
「……」
明確な案はない。
というより、方法を模索してる状態だ。
「別に、聖魔石を使えとは言わないけど、このままって訳にもいかないでしょ?」
「勿論です。だけど、焦ってもいけません海を渡った先に何か方法があるかも知れません」
「言いたいことは分かるけど、他力本願っぽいっていうか、受動的だよね」
「それは……!」
「わかるよ、方法が見当つかないもんね」
「……そうですけど」
「そのうえで、”どうするの?”ってことだよ」
「……!」
「方法がないのはわかるけど、考えることを止めちゃあ、駄目だよ」
「ちーちゃん……?」
「責任を押し付けてるみたいだけど、決めるのはクリスちゃんだから」
「そうですね、それはその通りだと思います」
「もちろん、ワタシも考えるからさ」
「はい、お願いしますね」
そう思うと、考えことをするのにこの釣りの場はいいかも知れない。
私は考えを改めることにした。




