ちーちゃんの疑似餌教室
ちーちゃんは私達の傍に来ると、目についたガラクタを取っていった。
「ちーちゃん?」
「……中通しの穴のある棗型の重り。
それに、針金、リング、フック、糸。これで、”オモック”なら出来るよ」
「”オモック”?ちーちゃん作れるんですか?」
「知識として、ね」
そう言ってちーちゃんは作り方を手際よく見せてくれた。
先端をひねって丸くした針金を重りに取り付け、
フックと糸を結束しリングに取り付け、針金の丸い部分とリングを取り付けた。
「はい、これで完成」
「え、これだけですか?」
「うん。釣れるかどうかは試してみないとわからないけど」
どちらにしろ、他の疑似餌の作りかたを知らない以上、ちーちゃんに倣うほかなかった。
ちーちゃんに詳しく教えてもらいながら、私とシンシアさんも”オモック”を自作した。
「これで釣りが始められますわ!」
それぞれに竿が配られた。
「ところで、よく疑似餌の作りかたなんて知ってましたね。
ちーちゃんって釣りが好きなんですか?」
「ううん、今日が初めて」
「え、じゃあ、なんで作りかたを……」
「さぁ?」
「さぁ、って……」
オモックについては、ググって出てきただけなので、詳しいことはわかりません。




