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最強一家の末娘~鬱フラグブレイカーの救済録~  作者: 結城コウ
第4章 断罪される少女
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不死鳥

群衆を取り囲むように赤いローブの集団が広場に続々と押しかける。


そして、その中の一人――()が群衆をかきわけ、中心の断頭台へと歩みを進める。


「な、何者だ!?」


声を荒げる執行人。


それを制する様に手を挙げた。


「我らはフェニックス教団なり!」


その宣言と共に、赤いローブの集団は火の鳥の旗を掲げた。


「フェニックス教団?それが何の用だ!?」


「野蛮なるギロチンによる処刑、それを止めに来た」


「な!?悪女に味方するつもりか!」


「否!断じて否なり!」


「なっ!?」


「問題は野蛮なるその断頭台だ!ギロチンなどという方法ではこの地が悪女の血で穢れるのだ」


「……なにが言いたい!」


「フ……知れたこと」


そう言うと同時に私は両手に魔力を込めた。


「我らがその処刑……代行させていただく!『フェニックス』!」


魔力を解き放つと共に空を魔法で構築された火の鳥が舞う――


「さぁ!聖なる炎で血も!骨も!灰も!塵さえ残さず!燃やし尽くしてくれよう!」


そして、舞った火の鳥は私の元へと戻り、私と同化した。


「『フェニックス・ライド』!」


火の鳥と一体になった私は断頭台ごと、悪女を炎に包んだ。


そして、炎の柱が広場の中心に湧き上がった。


歓喜と困惑と怒号が入り交じった歓声があがる。


やがて、燃やし尽くした残骸を残し、火の鳥は空へと飛び立った。


歓声と共に散り散りに消えていく赤いロープの集団。


観客達は見世物が終わった余韻に浸っているようだった。


執行人達は唖然としながら、燃え尽きた残骸を見下ろしていた。

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