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パルスの針
左眼で周囲を警戒しながら、右目を閉じて、意識を集中させる。
人差し指に神経を集中させたことで、中指が補助をするように重なる。
相手にダメージを与えるのではなく、目覚めさせる『気』――
針のような気が指の間から飛び出す。
イメージは私の神経回路から飛び出した針を刺すことで、相手の神経伝達に干渉し、電気信号を送る――
その時、私は目を閉じた死角から襲いかかる気配を感じた。
討伐隊の一人が私に斧を振り下ろさんとしていた。
私は1ステップ後退することで、回避し、
振り下ろされた斧を横から蹴り飛ばすことで、バランスを崩させ、彼は地面に叩きつけられた。
その首筋に『針』を打ち込む。
彼はびくんと、背筋をのけぞらせた。
「ぐ、がうぁあっ!」
「!」
嫌な気配を感じとり、私はすぐに『針』を引き抜いた。
「これじゃあ、駄目……!」
もっと、繊細な操作が必要だ。
今の方法では神経細胞をズタズタにして、廃人にしてしまうかも知れない。
「……」
私は、倒れている白髪の元にまで跳んだ。
今度は両目を閉じた。
操られた彼らが到達するまで、恐らく5秒程……
私は右手を左手で掴み、全神経を集中した。




