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山を、下る
数人を連れて、表道に来た。
大人数では逆に収集がつかなくなる可能性と、
妖精の通り道に惑わされた時のリスクを考え、少数で調べる選択をとった。
表道には私達が解除した罠の残骸が残っている。
道を占有している訳ではないが、ついでに撤去しながら、山を下る。
「……とは言っても、上る時は気づかなかったんですよね。
罠を警戒しながら、進んだのに」
「”妖精の通り道”は罠とも違うから、仕方ないと思うけど」
「そもそも、”妖精の通り道”ってどんな形をしてるんですか?
ちーちゃんはどこまで、分かってるんですか?」
「うーん……ワタシも一度見たことがあるだけだし、特定の形はないって聞いてるよ」
「それなら、一度見たってのいうは、どんな形だったんです?
その通りでないとしても参考にはなると思います」
「ワタシが見たのは、わかりやすいやつだったんだけど、
フラワーガーデン……庭園とか、あるじゃない?」
「貴族や王族の屋敷によくあるものですね」
「そうそう、あれの入り口……フラワーゲートっていうの?
ああいうのが、手入れなんてされてないはずの森林にあったんだ」




