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シナリオ『断罪される者』
上手く立ち回っていたと確信していた。
アタシは私の未来を知っている。
本来の私の末路はこうだ。
公爵の娘である私はその立場を利用し、好き放題していた。
しかし、父の汚職が発覚すると同時に私の悪事も暴かれる。
さらに、私が学園でいじめていた女が国王の隠し子……王女だということが判明し、
ついに私は婚約者からも見放され、悪女として処刑されてしまう。
だから、アタシはその運命を回避しようとした。
私自身が悪事に手を染めないのは当然のこととして、
父を見張り、汚職に手を出す前に食い止めることが出来た。
王女のことも知っているのだから、むしろ逆に苛められている彼女を庇い、
唯一無二の親友としての立場を盤石にした。
なのに……
なのに、何故……!!?
身に覚えがない罪で、私は断頭台になんかに立っているの!?
どうして、王女が殺されたの!?
どうして、父が服毒自殺をしたの!?
どうして、私がやったことになっているの!?
どうして、婚約者は助けてくれないの!?
まるで……まるで、決められた運命からは逃れられないみたいじゃない!!




