シナリオ『セイギのミカタ』
「……では君はそれが最善だと判断したのデスね?」
「はい、あの場面ではそれが合理的でした」
「人質を犠牲にしたとしてもデスか?」
「結果的にそれが一番被害が小さいと判断しました」
「なるほど、では君はその判断に誤りはないと思ってるのデスね」
「誤り?そんなことを考える必要がありますか?」
「ホウ?」
「ifなど意味はありません。確定した過去を悔いる必要などない、無駄でしかありません」
「ふむふむ、君は中々の合理主義者でありマスな。独善的と言ってもいい」
「個々の善悪など意味はありません。自分は秩序を重んじています」
「つまりは、正義のためには、物事単体の善悪は意味はないと言いたいのデスね」
「ええ、自分の行動理念は正義のみです」
「なるほどなるほど、そんな君なら、この任務を任せられるデス」
「任務……ですか?自分は謹慎処分では、なかったのですか?」
「君の上司は君の正義観を理解出来ていないのデスね。
君のような”逸材”、眠らせておくには余りにも惜しい。
ワタシのほうから、新たな辞令で上書きしておくでありマス」
「そうなのですか、では、自分の任務とは?」
「もちろん、君に相応しい、必要悪の汚れ役デス」




