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最強一家の末娘~鬱フラグブレイカーの救済録~  作者: 結城コウ
第8章 呪われた少女
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防衛戦の指揮者

「くっ……しつこいなぁ!」


ちーちゃんの呟きで気づく。


山賊達は少人数づつ現れて、正気を失っていた私の大技を誘っていた……?


振り向いて、洞窟の外を見る。


表部隊と山賊達の衝突……しかし、山賊達は表部隊を覆うように配置されている。





この二つの事実は何を意味するか。





山賊達は正気を失っているにも関わらず、統制が取れている。





いや、逆に統制が取れていなければ、おかしい。


私の大技を誘うやり方なんて、まるで捨て駒のようだ。



「………………!!」





だと、するなら、どこかに指揮……いや、操作しているの者がいる。



そして、それは……恐らくこの先、捨て駒を使いながら、私達の進行を食い止めている。


この洞窟が山賊達の拠点であることを考えるなら……この奥に。


でも、仮に私がここを離れるとすれば……



「……ちーちゃん、そのまま一人でここを持ちこたえられますか?」


「え!?」


「恐らく、この先に山賊達のリーダーがいます。

上手くいけば、リーダーさえ倒せば、全て終わるかも知れません。だけど、ここを離れると……」


「外で戦ってる、人達が挟撃にあって危ないって言うんだね?」


「そうです」


「……いいよ」


ちーちゃんは、前を向いたまま答えた。


「正気を取り戻したんだね?それなら、クリスちゃんを信じるよ」


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