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独断
前方に二人――こちらには気付いていない。
地を蹴り、道から外れて、木から木に跳び移る。
「ん?なん――」
僅かに気付いた山賊の腹部に跳び蹴りを叩き込んだ。
「がっ」
「がぐぅっ!?」
吹っ飛んだ山賊がもう一人を巻き込んで、地面に叩きつけた。
まるで、ボーリングで残った両端のピンを倒す時に片方を弾き飛ばした時のようだ。
「……あれ、ボーリングってなんだっけ?」
「ぐ……」
巻き込んだ方はまだ意識があった。
「『アイス・ストーン』」
「!?」
上空に出現した氷の塊が上から山賊に叩きつけられた。
それにより、彼の意識は吹き飛んだ。
「なんだ、なにがあった!?」
「!」
遠方からの声、気付かれてしまった。
こうなると、あとはスピード勝負だ。
声の方向を見ると、洞窟の前に二人、それぞれ槍と斧を持った山賊が見えた。
私はすぐに地を蹴った。
洞窟の前の見張り――可能性としては、そこが山賊の住処か貯蔵庫というところだろう。
――つまり、住処なら、大当たりだ。




