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罠の対処
……表部隊。
案の定というべきか、予想通りというべきか、罠は当たり前のように張り巡らされていた。
そして、その数は余りにも多い。
正直、これだけ設置しているのなら、山賊達自身も不便だというくらいに。
だから、罠を回避するのではなく、
私はあえて、罠を発動させて、それを対処するという動きをとることにした。
「……」
1m先の足元にある糸を剣で斬ると、その糸から1m上に矢が放たれ、木に突き刺さった。
「……」
3m先に石を放ってみた。
「『グラビティ』」
魔法で重力の負荷をかけると、石は地面に叩きつけられた。
そして、同時にその下の落とし穴を白昼のもとにさらした。
先を進む――そして、地面に偽装されていた魔法陣を破壊して、サイレンが鳴りだすのを防いだ。
「一つ一つ対処するのって、面倒ですね……」
そう口にして、私は思い至った。
「あ、そっか」
私は一つ一つ罠を感知するのをやめて、跳躍するように前進した。
同時に発動する地面から飛び出す槍を剣で薙ぎ払い、着地すると私はステップを踏んだ。




