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何であっても
「で、でも、この世界には、もう魔物はいなくて……」
「純粋な魔物は、ね」
「え?」
「魔物と言っても、吸血鬼や精霊……人間に近い身体を持つ種族はいるよ」
「人間と……子をなせるって、言いたいんですか?」
「もしくは、何らかの方法でこの世界に留まったとも考えられるよ」
「そんなこと……」
「どちらにせよ、セレナちゃんは純粋な人間じゃないんだと思う。
その証が結晶化なんだよ」
「……」
私は言葉を失っていた。
まさか、という思いが私を満たしていた。
「ねぇ、クリスちゃん、それがなにか関係あるの?」
「え?」
「セレナちゃんが何者であっても、セレナちゃんであることは変わりないでしょ?」
「っ」
「やることは変わらないでしょ?」
「え、ええ、その通りです……!」
確かにちーちゃんの言う通りだ。
セレナはセレナでしかない。
レナさんの件もそうだし、セレナを治したいという気持ちに変わりはない。
だとするなら――
「それで、ちーちゃんは知ってるんですか?結晶化から解き放つ方法を」




