まとまらない考え
「だったら、他に方法は?」
「……」
そんなものがあったら、とうに試してある。
何もないから、現状に至っているのだ。
すると、それまで黙って聞いていたシンシアさんが突如口を開いた。
「……現状はどうであれ、原因はレナさんにかかった呪いなんでしょう?」
「え、ええ、恐らくは」
「でしたら、レナさんの呪いを解くのと同じ方法を試すしかないのではありませんか?」
確かに、それは一理ある。しかし――
「レナさんとは、症状が違いすぎています。同じ方法が効くかどうかは――」
「やってみるしか、わからないんじゃないの?」
「それはそうですが……」
下手なことをして、状況を悪化させたくないという気持ちもあった。
「なにもしなければ、改善もしませんわ」
「……」
それもそうだ。
だけど、確証のないことを試したくはない。
「試すとしても、討伐隊の準備ができなければ、魔石は採取出来ない。
だから、それまでに決めるしかないんじゃないの?」
「……わかりました。それまでは静観するしかありませんが、他の方法も含めて考えてみます。
シンシアさんもちーちゃんも改めて、どうすべきか考えてもらえますか?」
「うん……何ができるかわからないけど、努力はするよ」
「そうですわね……私も、薬や治療法を改めて調べてみますわ」
「お願いします」
そう言って、私は部屋を出た。




