あり得ない話
色々厳しくなってきたので、金、土、日の集中更新をやめようと思います。
ただ、毎日更新は続けるつもりです。
困惑しているレナさんを置いて、ひとまず事務所の応接室に戻った。
気を失ったままのセレナをソファに寝かせて、椅子に座らせたちーちゃんの前に集結する形になった。
ちーちゃんは血を洗い落とし、お茶を飲ませて落ち着かせた。
「どうですか?」
「うん……もう、大丈夫」
そう答える、ちーちゃんの目は本来の色に戻っていた。
「それじゃあ、話してくれるかい?」
リタ船長の問いにちーちゃんは頷くと、誰とも目を合わせないように、視線をお茶に落とした。
「さっき、言ったように、あの人は呪われている」
「ああ、聞かせてもらったよ」
「……きっと、気になるのは、その呪いが、どういう呪いかって、ことかと思う」
「実際、どうなんですか?」
言いづらそうに、ちーちゃんは口をもごもごさせていた。
しかし、一口、お茶をすすると、意を決したように口を開いた。
「あれは……通称”悪魔の眼”。
魔物の中でも、上位の悪魔や吸血鬼が、素質のある人間を仲間にする為に施す呪いなんだ」
「ま、魔物、だって!?」
「は、はい」
「そんな馬鹿な!?あり得ない!!」
「な、なにを……別に嘘を言ってるわけじゃあ……」
ああ、そう……なのか。
ちーちゃんは知らないんだ。
「……ちーちゃん」
「クリスちゃん、デタラメ言ってるんじゃないんだよ」
「そうかも知れません。でも……魔物は、今は存在しないんです」
「………………えっ?」




