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”呪い”
「の、呪い……!?」
「ちーちゃん、なにを知ってるんですか!?」
「……」
だが、ちーちゃんは答えず、レナさんに向けて左手を突きだした。
「……!」
不穏なものを察知した私は、咄嗟に二人の間に立ちはだかった。
「なにを……するつもりですか?」
「……――……――」
「チヒロさん?」
シンシアさんも不穏なものを察知したのか、支える向きを変え、庇うような形になった。
「……そ、れは、魔に魅入られている、んだ」
「!?」
「この、ままだと……はぁ……はぁ……」
なんとか、言葉を紡ごうとするちーちゃん。
その額には脂汗が浮かんでいた。
「もしかして、チヒロさん……この場から離れたほうがいいですか?」
苦しそうにちーちゃんは頷いた。
「……すみません、リタさん。一度、別の場所で相談させて下さい」
「あ、ああ……いいけど、話を聞いた感じ、レナの目のことがわかったんだろ?」
ちーちゃんを見ると、伏し目がちに頷いた。
「それなら、アタシも聞かせてもらいたい。
それに、この状況……一度、収集をつけたほうがよさそうだ」




