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船長との関係
翌日――
四人で指定された事務所に向かうと入口の前で、リタ船長が腕組みをしながら、立っていた。
「リタさん」
「ああ、アンタらか。待っていたよ」
リタ船長は扉を開けて、中に引き入れられる形になった。
応接室に座らされ、お茶まで出された。
「初めに軽く説明しておきたいと思ってね」
「説明……その航海士さんのことですか?」
「ああ、名前はレナ。歳は19だ」
「思ったより、お若いんですね」
「そうだね。と言っても、アタシの幼馴染で、ずっとこの街で暮らしてたから、海のことはよく知ってる。
13から下積みで船に乗ってたから、同い年の水夫達に比べりゃあ、全然ベテランさ、ね」
「そうなんですか」
「ああ、だから、海の怖さも充分知ってるから、下手なことはやってないはずだ」
「うん?どういうことですか?」
「病気と言ってるが、何が原因か……いや、そもそも病気であるかもわからない。
原因不明なんだよ」
「!……だから、色んな方法を試そうとしてるんですね?」
「ああ……医者も駄目、回復魔法も駄目……そんな中見つけた、新しい可能性なんだ。
どうか、アタシの妹分を助けてやってくれないか」




