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本決まり
「そうですね……私としては、その条件で構いませんが……」
シンシアさんは、セレナの方を見た。
「……わたしの”神仙術”で必ずしも、その人を治せるとは限りませんよ?」
「それに関しては、理解してるよ。あくまで、成功した場合の話さ」
「それなら、わたしとしては構いませんが……」
セレナはこちらを伺うような目で見てきた。
「ん、私?」
「わたし達の指針はクリスさんに委ねてますから」
「それなら、特に反対する理由はないよ」
「じゃあ、話は決まりだね」
女船長は名刺らしき紙を机に置いた。
「名乗るのが遅くなったね。あたしはリタだ」
「じゃあ、代表して……クリシュナです。クリスと呼んで貰って構いません」
「それじゃあ、クリス。明日の昼、名刺にある住所に来てくれ、そこが、ここの事務所兼寮になってる」
「わかりました」
「それじゃあ、頼んだよ!」
リタ船長は自分のテーブルに戻っていった。
「クリシュナさん、多分条件としては一番いいところになると思います」
「そうですね」
「せ、責任重大ですね」
「でも、そんなに気負うことはないよ」
「え?」
「降ってわいた話だしね」




