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底知れぬ才能
「……そ、そういえば、昨日のちーちゃんの演奏どう思いました?
私、楽器触ったことないので、よくわからないけど、すごく上手いと思ったんですけど」
「そうですわね……すごいと言うより、あり得ないですわ」
「え、どういうことです?」
「豊富なレパートリー……この世界の音楽も、あの世界の音楽も楽譜なしで吹ける。
……という時点で十分おかしいのですわ」
「そう言えば、毎回違う曲吹いてましたね」
「でも、それ以上におかしいのは、それを全部リコーダーで吹いたってことですわ!」
「え、どういうことですか?」
「リコーダーは、アタシの知る限り、限られた音階しか出せないはずだし、
同時に違う音は出せないのよ!?どうやって吹いてたの、アレ!」
「さ、さぁ……」
「身近な分、剣とか戦闘以上に訳のわからない才能ですわ……」
「そうですね、そう考えるとちーちゃんって多才ですね」
「多才……そうですわね、戦える・踊れる・演奏出来る」
「そう言えば、食事の準備の手際もいいですね」
「……どんなスペックやねん、ですわ」
やねん……?




