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笛談義
「縦笛!?リコーダーなんて、久々に見ましたわ……!」
「ふっふっふ……秘密兵器だよ」
「高校生でしたよね……音楽選択でしたの?」
「いーや、これはただの私物さ……!」
ちーちゃんの口の端が大きく吊り上がった。
「なんて、すがすがしいまでの、ドヤ顔!訳がわかりませんわ……!!」
「ドヤ顔?」
知らない言葉だったが、何となく理解出来る。
「あの、それより、なんで袖に入れてたのかの方が気にならないんですか?」
「ふ……日本人はサムライのルーツでもあるけど、ニンジャのルーツでもあるからね……!」
「説得力あるようで、全く答えになってませんわ……!」
「……あの、踊らないんですか?」
埒があかないと思ったのか、セレナがそう聞いた。
「それもそうですわね」
「悪ノリが過ぎますよ」
「全く、君たちは!真面目にやりたまえよ!」
「「「ちーちゃんが言わないで下さい!」」」
「ま、それはそうと、音楽だね」
「楽譜もなしに吹けるんですの?」
「もちろん!……いくよ!!」




