テンポとリズム
「じゃあ、そこで休んでおいて下さい」
「あ、簡単な指導なら、出来るよ」
「でしたら、見てもらえますか?」
「うん」
もちろん、”踊る剣技”の指導やラン兄さんの課題も並行して行っている。
ちーちゃんが見てもらいながら、私は剣を振るってみせた。
ゆったりとした軌道で振るいながら、次撃の激しい剣へ――
途中で、テンポを変えて、再びゆったりと――
今までの指導されたことも、意識する。
ゆったりとした状態でも、脱力仕切るのではなく、一撃を繰り出す意識で――
かと言って、重い一撃を意識しすぎて、動きを固くせず――
激しい動きの中でも、無闇にならず、テンポを意識する――
「んー……ねぇ、クリスちゃん」
呼び止められ、私は動きを止めた。
「思ったんだけど、リズムを意識してる?」
「リズム、ですか?」
テンポという意味なら、意識してはいるけど、そういう訳ではなさそうだ。
「緩急はついてるんだけど、リズミカルじゃないんだよね。幾つかの段階に分けたテンポでごまかせてはいるけど、パターンを多くしてるだけだよね」
「そう、ですね……」
「結局、それはワンパターンを何種類も持ってるだけで、相手を惑わずことは出来ないよ?」
その言葉に私は雷に撃たれたような衝撃を受けた。




