到着の前の日
遠回りながらも、着実に『ポートピア』まで着実に進んでいた。
馬車をセレナとシンシアさんに任せながら、私とちーちゃんは鍛練に明け暮れた。
ちーちゃんの適応力は凄まじかった。
自分は剣士で、いざという時、馬車を守らないといけないという自覚が生まれていた。
度々、野盗が襲ってきても、私と一緒に戦い、野盗達をのしていた。
現状は、あの踊る剣技頼りとは言え、その辺のチンピラ崩れの野盗だけなら、
ちーちゃんだけに任せても十分務まっていた。
そんな訳であと一晩明けて、昼には『ポートピア』に着くところまで来ていた。
このルーティンも今日で暫くお預けとあって、ちーちゃんとの夜の鍛錬も熱がこもった。
「はっ!」
「!」
ちーちゃんのそれは数日前とは見違える剣だった。
とは言え、未だ実践するには不安が残ることには変わりない。
私はあえて、強く叩き返した。
「あっ……!?」
「ちーちゃん!?」
ちーちゃんの足はもつれ、その場に倒れ込んでしまった。
「だ、大丈夫ですか!?」
「う、うん……でも、体力のほうは厳しいみたい」
ちーちゃんの腕も足も小刻みに震えていた。
私とちーちゃんの体力的な差は大きく開いている。
故に、ちーちゃんの限界が私より早くくるのは仕方のないことだった。




