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通用しないことはわかりきっていた
「どう、思う?これじゃあ、勝負にならないんじゃないかな?」
「そ、それは……」
今見せられた技なら、一度防いでしまえば、あとは対処出来る。
他に使える技がないとするなら、警戒も簡単だ。
あとは……
「試しに普通に打ち込んでみてもらえますか?」
「え?まぁ、いいけど……いくよ」
真正面から、ちーちゃんは剣を打ち込んできた。
受け止める――剣自体は使えている。
「てやっ!」
二撃目も止まる――だけど、どうにも素人くさい太刀筋だ。
「このっ!」
三つ目は受け流す――扱えない時よりはいい、しかし、最初に見た剣と比べようもない。
「くっ!」
踏ん張って、回転斬り――攻撃に転じれたことを褒めるべきだろうか、それでも隙は大きい。
「たやっ!」
駄目だ、幾らなんでも大振り過ぎる――私はあえて、懐に潜り込んだ。
「うっ!?」
無理矢理ちーちゃんの腕を掴んで、攻撃をやめさせた。
「ど、どう?」
「……ちーちゃんの見立て通りでした。無理を言ってすみません」
贔屓目に見ても、最初の頃の2割にも満たない太刀筋だと、思った。




