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唯一の剣技
「本来の実力……どう感じているんですか?」
「……そうだね。試すだけ試してみよっか」
すると、ちーちゃんは右手に持った剣を下ろし、構えとも取れない体勢をとった。
「!!」
「今、唯一、使える剣技……受けてくれる?」
「その体勢は…………いえ、わかりました」
それに、さっきのは剣技ですらないということ……
色々と言いたいことはあったけど、その全てを飲み込んで、私は技を受けるべく、構えをとった。
「行くよ……!」
ちーちゃんは、先程とは違い、高く跳躍した。
そして、一番高い位置に剣を振り上げた。
「『閃沙』――」
――!!
あの時の技!?
「――『突貫』!」
「いや、違う技!?」
高い位置から、勢いのまま、突っ込んできた。
私は剣で、真正面から受け止めた。
「ぐっ!うぅっ!」
重い一撃だ。
しかし、逆に言うなら、それだけだ。
私は奥歯を噛みしめ、衝撃を押さえ込んだ。
「はっ!」
力のピークが超えたところで、私は跳ね返した。
「っとあ!」
跳ね返された、ちーちゃんはこともなさげに着地した。




