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最強一家の末娘~鬱フラグブレイカーの救済録~  作者: 結城コウ
第6章 崩壊少女
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永遠の一瞬




翌朝――私達は予定通り、村を発つことにした。



見送りにきたメメは、一晩経って、吹っ切れたような表情だった。


「……本当にここに残るつもりですか?」


どういう返事が返ってくるのかはわかりきっていた。

それでも、彼女のことを思うと聞かずにおられなかった。


「はい。私にはやらねばならないことが、出来ましたから」


「やらなければいけないこと?」


「お墓を、作ってあげないと……」


「村の人たちの?」


「ええ、ちゃんと弔ってあげないといけませんから……」


「それから、どうするつもりです?その後もずっと、この村に一人でいるつもりですか?」


彼女は当に天涯孤独になっている。

それでも、今を生きる以上、人との繋がりを絶つ必要はないはずだ。


「お墓の管理もしないといけないので、村から遠く離れるつもりはありません。

私には、長い時間があるので、それくらいでちょうどいいと思うんです」


それ以上は何も言えなかった。


その時、笑ったメメの、笑顔の真意を、私が理解できるようになるのはまだまだ先だろう。


彼女の時間がどんなに永くても、この一瞬の笑顔はとても儚く思えた。



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