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拮抗
「!?」
「クリスちゃん!!」
私は咄嗟に気功で障壁を造り、閃光を受け止めた。
「く、うっ……!」
受け止めることは出来た。
だが、衝撃で押し込まれる。
地面が泥で踏ん張りが効かないこともあって、
2m、3m、4mと後方に押され、最終的には10m近く押された。
「クリスちゃん!」
「大丈夫です、下がって!」
私はぬかるんだ地面を思いっきり踏み込み、メメの元へと跳躍した。
『……』
「また来るよ!」
「だったら!『フェニックス・ライド』!」
不死鳥を纏い、赤いエネルギーとぶつかる。
「くぅっ!」
『……!』
力は拮抗していた。
私の『フェニックス』の魔力が切れるか、メメのエネルギーの放出が切れるかの勝負だった。
拮抗は時間にして10秒――
そして、向こうの勢いが一瞬弱まった。
「そこぉっ!」
一気にメメの元まで、迫る。
すると、メメ自身を守ろうと、鋼の翼が私の前に盾となった。
「貫けっ!」
火花が散り、鋼を徐々に溶かしながら、不死鳥はメメへと迫っていく、しかし――
『目標を補足』
メメは再び、手を掲げた。




