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最強一家の末娘~鬱フラグブレイカーの救済録~  作者: 結城コウ
第6章 崩壊少女
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memento mori

思考が加速していく。


そして、それに合わせて心臓の鼓動が早く、それでいて大きくなっていった。


「――」





”死を忘れるな”?



そうだ、どうして、私は当たり前のように思ったんだ?






-「タチサレ……タチサレ……」-




ただの宿屋で、死霊がいる……どうして人が死んでいる?





-「過疎地ってこういうところを言うのかな?」


「人っ子一人いませんね」


「暗くなったから、皆さんおうちに入ってしまったんでしょうか?」


「それでしたら、宿屋も閉めるかも知れませんね。早くチェックインしましょう」‐




-「どうしたんですか?」


「……いや、相変わらず、人っ子一人いないなぁ、と思って」


「この村の人には、まだ早い時間なのかも知れませんね。宿屋の女の子も受け付けで寝てましたし」


「いや、それは来た時もじゃない?」


「よく眠る村……ということなのかも、知れません」


「ま、そうかもね」‐





人を見ていない……あの少女を除いて……





-「あ、これ、村への案内板みたいですね」


「本当だ……『イン・ビトロ村』って書いてます」


「そんな名前だったんですね」-






メメント・モリは、異世界でラテン語とされる言葉、

イン・ビトロはラテン語での成句……



-「その通りですわ……イン、が中というくらいはわかりますが、ビトロ?

お魚の部位でしょうか?」


「えっと、確かガラスじゃなかったかな」-




そう、ガラスの中……ガラスとは”試験管”を意味する――



そして、あの女の子……


-「事情があるのですよ、こちらにも」-

-「余り長い時間、起きとれんのです」-

-「要は活動時間が限られとることどす」-




事情、起きていられない、活動時間が限られている……


そして、この日記の日付……


メメント・モリ……





全ての要素を一つに繋げた時、私はある一つの結論に至った。

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