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一掃
手前のゴロツキが下げていた剣に手をかけた瞬間、私はそのゴロツキの腹部に掌底を打ち込んだ。
「がはっ……!!」
ゴロツキはそのまま崩れおちて、動かなくなった。
「なっ!?」
「武闘家か!距離を取って銃を使え!」
「大人しく、通してはくれないんですね?」
「黙れっ!」
次の瞬間、他のゴロツキ達は一斉に銃を乱射した。
「『反射』」
私とセレナを覆った魔法の障壁は彼らの放った銃弾を跳ね返し、逆に彼らへと反射する形になった。
「ぎゃあああああっ!!」
倒れていく、ゴロツキ達。
幸いにも致命傷は負っていない、いざとなれば、回復魔法を使わなければとも思ったがその心配は必要なかった。
「な、なんなんだよぉっ!」
無事そうなゴロツキが一人居たので、首根っこを捕まえた。
よく見るとセレナを捨てたゴロツキだった。
「あんたらのボスは、何処ですか?」
「ひぃっ!う、うううう上にいるよおっ!」
「そうですか」
ゴロツキの首に一撃を入れると、ゴロツキは昏倒し、倒れた。
「上に行こう、セレナ」
「……クリスさんって何者なんですか?」
その問いに私は少し考えて、こう答えた。
「ただの末っ子です」




