クリスの部屋の実態
食事を終え、私達はそのまま廊下で話していたが、時刻は11時。
天気計の通り、雨は上がったことを確認し、私達はそれぞれ部屋で休むことにした。
「雨漏り、してないといいなぁ……」
「それくらいは多めに見ましょうよ、ベッドにつたい落ちてさえいなければ」
「私は雨でナメクジとかが沸いてないか、心配です」
「まぁまぁ、野宿の時も同じような心配をするんですから、そんなに気にすることないでしょう」
「……宿にいるのに、野宿と同じ心配をしないといけないのが問題なのでは」
「うっ、確かに」
「そう言えば、クリスちゃんの部屋って、他の部屋より被害が小さくない?」
「えっ……あ、いや!それは……」
動揺した、一瞬の隙をついてちーちゃんに鍵を奪われた。
「へへぇっ!ずるいぞ、交換だぁっ!」
ちーちゃんは自分の持ってた鍵を私に放り渡すと、私の部屋に入った。
「あっ!ま、待って下さい!!」
「遅いぞ、早いもの勝――」
飛び込むように入ったちーちゃんだったが、踏み込んだ床がまるまる抜けて下の階に落ちてしまった。
「だから、言ったのに……私の部屋、他の部屋以上に脆くなってたんですよ?」
「――」
返事がなかったので床の穴から、除いて見ると、ちーちゃんは下の部屋で目を回していた。




